横浜線205系の概要 横浜線205系の歴史 横浜線205系のニュース 横浜線205系各編成別調査室 横浜線205系の方向幕 横浜線205系の床下機器 横浜線205系細部研究室 横浜線205系の検査記録

モハ204−海側(1-3位側)
 ◆C49形ブレーキ制御装置−BOU(Brake Operating Unit)
 空気ブレーキ用の機器や弁、コックなどをまとめたユニットです。各車両の床下に取り付けられており、送らてきたブレーキ信号に応じたブレーキを作用させます。
 電気信号を読み替えてブレーキをかけるこの方式は「電気指令式」と呼ばれています。回生ブレーキを備える205系の電動車では、車両の荷重に応じた適切なブレーキ信号をモハ205に設置されている「C50型ブレーキ制御装置」内部の「ブレーキ受量器」で加算し、HS57型励磁装置へ回生ブレーキを指令しています。この際、計算上のブレーキ力得られない場合には自動的に不足分のブレーキ圧が空気ブレーキとして追加されるようなシステムになっています。
 ◆チリコシ・元空気だめ−STR(STRainer)・MR(Main air Reservoir)
 チリコシは圧縮空気に含まれる塵をとるマイクロフィルターです。
 元空気だめにはコンプレッサーによって圧縮された空気が常時貯められており、第1空気だめから第2空気だめの順に空気が貯められます。第2空気だめは第1の裏にあり、ここから各空気だめへ空気が分配されています。
 ◆滑走検知装置
 線路が濡れているとブレーキをかけた際に車輪が線路の上で滑ってしまい、削れてしまう場合があります。これを「フラット」と言います。
 滑走検知装置では、車軸に取り付けられた速度検知器の信号を元に車輪の速度差・すべり率などを演算し、ブレーキを調節して再粘着を促します。各車両に設置されています。
 ◆DM106形電動発電機−MG(Motor Generator)
 架線からの直流1500Vを変換し、三相交流440V・60Hz電源を得る機械です。得られた低電圧電源は用途に応じて変換され、車内電源や冷暖房、制御装置の電源などに使用されます。
 205系ではサイリスタインバーターを通し、三相交流にしてから三相同期電動機を回転させるブラシレスの電動発電機を採用しており、この電動発電機はMGと区別してBLMGとも呼ばれます。
 枕木方向に設置されており、反対側(山側)からもこの機器を見ることができます。
 ◆ICD5形フィルタ装置
 電動発電機用のフィルタリアクトルと平滑リアクトルです。205系では「フィルタ装置」と表記しています。
 電動発電機に関連する機器である「AVR29形自動電圧調整器」および「HS46A形起動装置」間での回路内に発生するノイズを取り除くなど、安定した綺麗な電源へ変換する装置です。
 ◆HR89形補助抵抗器
 強制転流回路に組み込まれている補助回路用抵抗器です。電動発電機が回転していない起動初期の状態では、回転による電圧(誘起電圧)を利用して直流を交流に変換している「サイリスタインバーター」が動きません。そこで、起動時は誘起電圧に代わる電圧をサイリスタインバーターへ送り、電動発電機が完全に動作するまで「強制転流」が行われます。
 2013年より外装が順次新しいものに交換され、写真のような外観になりました。
 ◆電動空気圧縮機(コンプレッサー)−CP(Air Compressor)
 フィルターを通して取り込んだ外気を電動機でシリンダーを動かして圧縮します。圧縮された空気は冷却・除湿されたのち、元空気だめに貯められ、元空気だめから各空気だめへと送られます。
 電動機には「MH3075A三相誘導電動機」を採用し、従来の直流直巻電動機に比べメンテナンスが容易になりました。
 ◆除湿装置
 電動空気圧縮機で圧縮された空気から、水分を取り除く装置です。
 水分が含まれたままの空気を使用すると、部品の腐食や凍結などにつながります。そのため、圧縮された空気はすぐさまこの装置を通り、乾燥した空気が元空気だめへ送られるようになっています。
 製造が早かったH27・H28編成では、部品が若干異なります。

⇒山側床下を見る
⇒床下一覧に戻る

inserted by FC2 system