205系の前照灯には「シールドビーム」が設置されており、2本のフィラメントを運転台のスイッチにより切り替えることで
「減光」を行うことができます。(減光時の副フィラメントは主フィラメント消費電力の1/3)
ここでは、横浜線205系で使われている「レンズの異なる2つの種類」のシールドビームの全編成先頭車データを集積しています。使用されている前照灯については球切れなどの理由で交換され、調査時と異なるレンズになることが多々あるため、日ごろから観察が必要です。
後部標識灯は運転取扱上非常に重要な標識灯です。205系の後部標識灯には、LEDタイプ・白熱電球タイプの2種類が存在し、
例えば横浜線H28編成ではクハ204-15が両タイプ混在となっているため、日中は片方だけ暗く見えます。
後部標識灯は点け忘れることのないよう、「運転台選択−後」「室内灯点灯」の条件だけで「標識灯−入」としなくても点灯する回路構成になっています。
横浜線205系の後部標識灯には、レンズの周りに「パテが塗られているものと塗られていないもの」が存在します。ここではそこに着目して、全編成の両先頭車のデータを集積しています。
横浜線205系では、以下の表記上12種類の冷房装置を見ることができます。 全種類のクーラーに共通して、ファンには凹タイプ、凸タイプがあります。
AU75G系列の三菱製です。
もっとも標準的な形です。
AU75G系列の三菱製です。
もっとも標準的な形です。
AU75G系列の東芝製です。
外見上の差異は特に見られません。
AU75G系列の日立製です。
通風口の形状が違うのが分かります。
AU75G2系列の三菱製です。
外装の形状が違うのが分かります。
AU75G2系列の東芝製です。
AU75GM、AU75GSとの
外見上の差異は特に見られません。
AU75GM、AU75GSとの
外見上の差異は特に見られません。
AU75GM、AU75GSとの
外見上の差異は特に見られません。
AU75G2M、AU75G2Sとの
外見上の差異は特に見られません。
サハ204形0番台に設置。
サハ204形100番台に設置。
※このほか、AU75GG2Sという表記のものが存在(H9編成8号車)しますが、詳細は不明です。(外観上はGM)
表記によりこのように大別されますが、中には「AU75G2M」と表記して外観が「AU75GM」というものもあり、必ずしも表記と外観は一致しません。これは、外装部分を共通部品化しているためです。
AU75GHと表記していますが、
外見上の差異は特に見られません。
AU735A-G2と表記していますが、
外見上の差異は特に見られません。
側面に印字せず、小さな緑色のシールに表記している場合もあります。
2つのタイプの通風口が混ざった特殊なタイプも存在します。
ベンチレーターは「通風器」とも呼ばれ、客室天井部のレバーを操作することで外気を取り入れることができる装置です。
横浜線205系では、ベンチレーター落下防止のためステンレス製の留め具が巻かれており、それらの塗装方法の違いで以下の3種類のベンチレーターを見ることができます。
サハ204形100番台・サハ205-232は登場当初からベンチレーターへの塗装が行われていませんが、サハ204形100番台については検査時に塗装される編成も近年多くなっています。
登場当初のベンチレーターです。
ステンレス製の留め具を
追加したベンチレーターです。
追加した留め具ごと
塗装を行っている例です。
サハ204形100番台/サハ205-232は
無塗装となっています。
205系の台車は軽量かつメンテナンスが容易な「ボルスタレス方式」を採用しています。「ボルスタ(bolster)」とは「長まくら」「支持」を意味するラテン語で、「ボルスタレス台車」とは、台車の中心になる心皿の下にある「上揺れまくら」と心皿の周りにある梁から吊るされてる「下揺れまくら」を省略した台車を指す用語です。
205系の台車は「横梁」「側梁」を「H」の字に組んだ形をしており、横梁には円柱形のパイプを2本使用しています。ボルスタを省略した代わりに、これらの台車では「空気ばね」が車体を支えており、205系では特に摩耗防止のための板、ナイロン製網布などが挟まれています。また、蛇行動対策として、205系では側梁と牽引梁の間にダンパを設けています。
台車から車体へ伸びている棒は「自動高さ調整弁」の棒で、車体の重さ(乗客の数)に応じて空気ばね内の空気圧を変化させる役割をしています。さらに、空気ばねの空気は横梁のパイプ内にも充填されており、片方が故障するなどしてバランスを失った場合には、台車側面の横梁貫通部分にある「差圧弁」が開いてバランスを調整できる仕組みになっています。
車輪は軽量な「波打ち車輪」を採用し、付随車の車軸には1軸当り1枚のディスクブレーキ機構が取り付けられています。また、電動車の台車には、電蝕防止のため「接地ブラシ装置」が車軸に取り付けられています。
DT50
円錐積層ゴム式ボルスタレス台車 踏面ブレーキ(片面)
TR235
円錐積層ゴム式ボルスタレス台車 踏面ブレーキ(片面)+ディスクブレーキ
205系の一般的なM車の台車です。
205系の一般的なT車の台車です。
DT50D(後期形)
円錐積層ゴム式ボルスタレス台車 踏面ブレーキ(片面)
TR235D(後期形)
円錐積層ゴム式ボルスタレス台車 踏面ブレーキ(片面)+ディスクブレーキ
205系の一般的なM車の台車です。
軸受けに改良がおこなわれています。
205系の一般的なT車の台車です。
軸受けに改良がおこなわれています。
TR246E
軸梁式ボルスタレス台車 踏面ブレーキ(片面)+ディスクブレーキ
TR241B
ロールゴム/円錐積層ゴム式ボルスタレス台車 踏面ブレーキ(片面)+ディスクブレーキ
209系の仕様に合わせた、
サハ204形100番台の台車です。
サハ204形0番台で採用されています。
横浜線ではH27編成でのみ見られます。
この補助抵抗器は「HR89形補助抵抗器」と呼ばれ、「強制転流回路」に組み込まれています。
「強制転流」とは、電動発電機の回転による誘起電圧を利用して直流を交流に変換している「サイリスタインバーター」を電動発電機が回転していない起動初期の状態に動かすために、誘起電圧に代わる電圧をサイリスタインバーターへ送り、電動発電機が完全に動作するまでインバーターを強制的に動かすことをいいます。
一般的な補助抵抗器です。
抵抗器が顔を出しています。
棒が追加されているタイプです。
抵抗器が完全に隠れています。
正面の網が高くなり、棒追加タイプと同程度の安全性を確保しています。
2013年度より急速に普及。
外装のみを一新しています。
窓の外側に取っ手が無く、
窓枠上部は直角になっています。
横浜線の初期投入車は、
3次車以前と同仕様となっています。
窓外側への取っ手の取付および
窓枠上部の形状が変更されました。
窓枠側面の形状も変更されました。
工事を行った場所によってケーブルの処理方法に差異があり、屋根裏に配線している車両と、通風口の横にケーブルカバーを設けている車両があります。
【ドア表示灯】
各車両側面に設置されている赤色の表示灯で、車両にあるドアが1つ以上開いていると点灯します。
サハ204形0番台である「サハ204-30(H27)」、最終製造車の「サハ205-232」は形状が異なります。
【事故表示灯】
モハ205の側面に設置されている白色の表示灯で、高速度減流遮断器補助継電器が作動していない時に点灯します。パンタグラフを上げて運転整備を始めるときに点灯しますが、これは継電器がオフとなっているためです。運転台でリセット操作を行うことにより継電器が作動し、表示灯が消灯します。
更に床下には、同様の「L1動作表示灯」(高速度減流遮断器補助継電器による)、「No.1〜4主電動機過電流表示灯」「No.5〜8主電動機過電流表示灯」「主回路過電流表示灯」「故障検出表示灯」の計5つの白色表示灯が設けられています。
・L1動作表示灯…
高速度減流遮断器(L1)が過電流により自己遮断した際に点灯します。
・主電動機過電流表示灯…
主電動機に一定以上の過電流が流れた場合、継電器により主電動機の電気が遮断され、この表示灯が点灯します。
復帰の際にはリセット扱い後、MMCOS(1ユニットのうち1両分の電動機4個)の開放運転になります。
・主回路過電流表示灯…
主回路に一定以上の過電流が流れた場合、継電器により電気が遮断され、この表示灯が点灯します。
復帰の際はリセット扱い後、CCOS(1ユニット全ての電動機8個)の開放運転になります。
・故障検出表示灯…
サイリスタ制御の異常、接触器や回生の不正動作など主回路機器が正常に動作しなかった場合、故障検出継電器が動作して
主回路を開放し、この表示灯が点灯します。
【非常警報表示灯】
車内にあるSOS釦が押されると、ブザー音と共に当該車両の非常警報表示灯が点灯します。
ドアが開くと点灯し、閉まると消えます。
サハ204形100番台の側灯は、
一般車と統一の部品を使用しています。
詳細は上記
車内のSOS釦を押すと、
ブザー音とともに点灯します。