横浜線は、首都圏では山手線に次いで2番目に205系が投入された線区で、後に転入してきた3編成を含めると最盛期には8連28編成(計224両)が線内の全運用を担う、205系の独壇場でした。
横浜線の205系は、横浜線開業80周年という節目の年である1988年に、103系を置き換えることを目的として7連25本が蒲田電車区(東カマ)に新製投入され、94年に6扉車を組み込んでおおむね現在の姿となりました。組み込まれた6扉車は、既に登場していた209系に合わせた仕様の「サハ204形100番台」となっており、山手線に組み込まれた205系6扉車「サハ204形0番台」とは異なるものとなっています。
黄緑と緑のラインカラーは沿線住民の投票によって決められ、帯色をツートンカラーとしたのは横浜線が初めてであり、最終選考で不採用となった赤色(朱色)は後の京葉線で使われることとなりました。また、205系の横浜線投入分からは、側引戸窓を拡大・路線表示幕を設置するなど、マイナーチェンジも行われています。
横浜線に最初に投入されたカマ1〜25編成は、後の所属変更によりH1〜H25編成となり、京浜東北線や山手線、武蔵野線から転属してきた編成はそれぞれ1本ずつ、続けてH26、H27、H28編成となっています。
「205系」は2014年2月16日から営業運転を開始した新型車両「E233系」への置き換えが順次進められ、2014年8月23日をもって26年の歴史に幕を閉じました。横浜線での役目を終えた205系は、その多くがインドネシア共和国のジャカルタ首都圏鉄道会社(ジャボタベック社)に譲渡され、現在は元埼京線の205系などと共に異国の地で活躍しています。
編成表および各編成の詳細情報については、「各編成 -Trains-」のページをご参照ください。
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登場当初4M3Tの7両編成だった横浜線205系は、山手線で混雑緩和・乗降時間短縮に一定の効果がみられた「6扉車」を
1994年12月に導入し、2号車に組み込んで4M4Tの8両編成化を達成しました。
当時、既に209系の製造を開始していたため、サハ204形100番台は209系をベースとして全車両(26両)が近畿車輌で
製造されました。
サハ204形の可動式座席(定員30名)は、横浜線では平日の初電から9時までが収納時間帯となっていましたが、全車4扉車
の新型車両が運転開始されたことを受け、2014年2月17日(月)より朝の座席収納を廃止しました。
*0番台との外観での差異
・ベンチレーターは塗装せず、銀色のままで登場。(現在は全検等で他車同様に塗装が行われている編成も)
・冷房装置をAU717形からAU722形へ変更。
・車側扉を拡大、209系に準じたものへ変更。
・ドア窓の支持方法を変更。
・ステンレス板の継ぎ位置を変更。
・車側灯を205系標準の大きいタイプに変更。
・各種表記をJR書体化。(H15編成は後に国鉄字体に戻されています)
・補助電源装置を廃止。
・台車を209系に準じたTR246E形に変更。
*0番台との車内での差異
・車端部に車いすスペースを設置し、手摺などの必要な設備を追加。
・文字放送装置の廃止。
・荷棚をプラ板から鉄パイプ棒に変更。
・収納可能座席のデザインをマイナーチェンジ。
・コンセントの形状を変更。
・車番と非常用ドアコック表記をプレートからシールへ変更。(車番がプレートになっている編成も一部存在)
>H27編成 「唯一のサハ204形0番台」
山手線からヤテ30編成を横浜線H27編成として転配属させる際、山手線ではサハ204形0番台を連結して運用していたため、
編成中のサハ204-30は文字放送装置を廃止するなど一部改造を施し、横浜線H27編成の6扉車として転入しました。
横浜線でサハ204形0番台を連結するのはH27編成以外に存在せず、異彩を放っていました。
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>H28編成 「唯一の全車4扉車」
さらに、武蔵野線M66編成を横浜線H28編成へ組み換える際は、6扉車の余剰車がなかったため、保留車の京葉線サハ205
を2両組み込む形での転属となりました。横浜線205系では唯一6扉車を含まない編成として注目を集めました。
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京浜東北線浦和電車区より横浜線へと転入したウラ5編成改めカマ26編成は、転配属にあたり編成中のサハ2両とモハ368
のユニットを三鷹電車区に転属させたため、横浜線に転入させるにはサハ205が1両不足となりました。
そこで、基本番台最後の製造から1年以上経過した1993年2月に急遽川崎重工にてサハ205を新製、サハ205-232が登場
しました。(甲種輸送は209系の後ろに連結する形で実施)
205系基本番台としては最後の新製車になったこの車両には、特徴的な部分がいくつかありましたが、新型車両の投入に
よりH26編成が南武線へ転属する際に不要となり、2014年2月4日に廃車回送されました。
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列車無線の高機能化や、情報伝達のグレードアップを図り、JR東日本各線で2005年頃から設置が行われています。
*主な追設工事内容
・デジタル列車無線装置
・簡易アンテナ →合図灯横(灰色の箱)
・旅客一斉情報スピーカー
・コードレス子機 →電流計横(各線区により異なるが、横浜線はその場所)
・簡易モニター →運転台右
・モニター表示機 →運転台右
・ICカードホルダー →左の足元
横浜線では、前面の路線表示幕を順次廃止し、裏蓋部からせり出させる形でモニターを追設しました。
路線表示幕廃止に伴い、前面行先表示幕を幕式から3色LEDへ変更し、デジタル無線設置・D-ATC化工事完了と共に
前面行先表示幕のLED化が完了しました。
また、関連機器の客室内における配線は、「屋根裏で処理しているもの」と「カバーを客室内に設けたもの」の2通り
の工法が存在し、その形態は3種類存在しました。
※横浜線では、この工事を行うのと同時に全編成に滑走検知装置・速度発電機を追設しました。
+ドア前の滑り止め・ブラインド 2005年4月
2005年4月から乗降口付近へ滑り止めの設置が始まり、横浜線ではH3編成へテストデザインでの先行導入を行いました。
各編成にはストライプ型が普及しましたが、H3編成はテストデザインのまま現在も残されており、異端となっています。
また、乗務員室には従来の遮光板に加え、白色のブラインドが設置されるようになりました。
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+優先席付近のつり革を変更 2007年4月
JR東日本は発足20周年記念事業の一環として優先席のつり革を変更し、優先席付近でのマナー啓発活動を行いました。
横浜線でも、つり革がE233系タイプの黄色の縦長三角形に変わりました。
+座席袖仕切りを設置 2009年5月
H28編成の登場に合わせ、横浜線205系の全車両に半透明のプラスチック板による座席袖仕切りの設置が行われました。
+運転台の機器類更新 2009年5月
EBスイッチの設置が行われ、検査ごとに運転台の一部パーツの交換が行われました。
+パンタグラフ換装 2009年8月
従来の菱形パンタグラフを、PS33E型シングルアームパンタグラフに換装する工事が始まりました。
換装はおおむね検査ごとに行われ、1.5年程で全編成のパンタグラフ換装が終了しました。
+座席ヒーター注意喚起 2010年11月
座席ヒーターで火傷をしないよう、注意を促すシールが車内の広告枠と窓の間に貼られました。
+UVカットフィルム 2011年2月
ドア窓を除く客室の窓に、紫外線カットフィルムが貼られました。
+東日本大震災に伴う節電 2011年6月
発電所の被災による電力需要の逼迫に伴って、各線で車内電灯の削減が実施されました。1両あたり6本の蛍光灯が抜かれ、
4ドア車の3・6番ドア/6ドア車の3・10番ドアに、節電中ステッカーが貼られました。
+新冷房装置の導入 2011年6月
従来のAU75系列の外装はそのままに、中身のみを交換したと思われる735A系列の冷房装置が導入されました。
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+号車札の原則統一 2011年*月
蒲田電車区から受け継いでいた「○号車」と書かれた号車札の劣化が激しいことを受け、車体側面に設置されているものを
数字だけ書かれたタイプへ交換、統一しました。なお、部品の都合などで旧タイプが差さっていることも稀にあります。
+補助抵抗器の外装変更 2013年*月
網が低かった補助抵抗器の外装を、鎌倉車両センターで全く新しいものへ換装。以後各編成に普及しました。
+ホーム検知器試験を実施 2013年10月
新型車両導入に先駆け、横浜線H17編成に「ホーム検知器」を取り付けての全線試運転が行われました。
+H26編成が南武線に転属 2014年1月
横浜線H26編成が6連化のうえ南武線に転属しました。
不要となるサハ2両は廃車となり、横浜線では初となる205系の運用離脱編成・廃車車両が発生しました。
+編成単位で初の廃車 2014年2月
横浜線H3編成が26日に廃車回送され、編成単位では初の廃車になりました。
+盗難対策実施 2014年*月
プレート類盗難対策の為、樹脂流し込み・プレートおよび号車札類の撤去作業が始まりました。
+海外譲渡のため配給回送開始 2014年5月
横浜線205系の海外譲渡計画が本格的に始動し、H6編成がその最初の編成として23日に新津まで配給回送されました。
数編成毎に船へ積み込み、譲渡先のインドネシア共和国へ移送される形で22編成が輸出されました。
+営業運転終了 2014年8月
新型車両への置き換えが完了し、横浜線205系の営業運転が終了しました。
+海外譲渡のため配給回送完了 2014年10月
横浜線205系22編成の海外譲渡配給回送が完了し、鎌倉車両センター所属の横浜線205系の車籍が抹消されました。